福祉・介護の仕事
特定非営利活動法人 地域生活支援協会
理事長 鈴木 大士さん

●40歳(2020年9月時点) ●米沢市出身 ●米沢中央高等学校/日本福祉大学 卒


年老いた自分が生きやすい米沢を想い描いて
仲間とより暮らしやすい街に

インタビュー


 2019年の4月から地域の福祉・介護を担う事業所となった、特定非営利活動法人 地域生活支援協会。理事長の鈴木大士さんに、自身の会社を運営する中で生まれた、米沢や地域への想いを伺いました。

豊かな在宅生活を
お過ごしいただくためのサービスを

 特定非営利活動法人 地域生活支援協会では、介護全般の相談に応じてケアプランの作成を行う「住宅介護支援」と、訪問介護員などが自宅に訪問し、介護や日常生活上のお世話を行う「訪問介護」、生活の中でのお困りごとに対して幅広くお手伝いを行う「有償ボランティア」の3つの事業を行っています。
 もともと除雪や高齢者宅へのボランティア業務を行っていた法人でしたが、昨年の4月より鈴木大士さんが理事長を務めることになり、福祉・介護も行うことになりました。「介護業界は人手不足で、担い手が維持できず廃止や休止に追い込まれる事業所も出てきています。地方には高齢者が多く、それに比例し要介護認定を受ける人も年々増加。その中で在宅ケアの需要は高く、訪問介護や居宅支援は要になる事業だと思います」。


おばあちゃんへの想いを介護に

 子どもの頃はおばあちゃん子だったという鈴木さん。実家は介護施設を運営しており、当時おばあちゃんにしてあげられなかったことができたらと、福祉の仕事を始めたそうです。「関わるお年寄りが元気になったり、笑ってくれたり、自分たちとの関わりを喜んでくれたり、本当にうれしいです」。
 大学では介護の勉強の他、牧場や工場、ファストフード店や居酒屋、旅館や海の家など数々のアルバイトを経験。一つの学びに留まらない、考え方の幅が広がったそうです。卒業後は複数の施設で経験を積み、その全てが今に活きていました。
 「介護業界は誤解されやすいかもしれません。確かに大変なこともあるかもしれませんが、思ったより大変じゃないかもしれないです。福祉用具が発達し、身体介護で自分の体への負担も減少していますし、介護ベッドは上げ下げから、時間での寝返りを行ってくれたりもします。技術はどんどん進化し5年前、10年前とは全く違う。介護を知らない人のイメージを変えるのが一番大変かもしれません」。それでも介護業界の働きやすさを強引にPRはしたくないという鈴木さん。「その良さはやっぱり自分で体験してみなければ分かりません。興味を持ってくれた人にはどんどん教えますよ」。

仲間がいる「米沢」で仕事がしたい

 鈴木さんは仕事の傍ら、米沢商工会議所の青年部に所属し活動をしています。異業種のメンバーとの交流は刺激になり、いつも気持ちを前向きにしてくれるそうです。「お酒を飲みながら、たわいもない話から、仕事の悩みや苦労を聞いていると、自分はまだまだ小さいなと思えてくるのです」。
 また異業種の繋がりが、自社で行う「有償ボランティア事業」のカギになると言います。「高齢者や障がい者の暮らしには様々な生活不便があります。簡易的なお困りごとから、福祉分野とは異なる住環境整備といった専門分野も、いろいろな業種の方と連携し、一緒にサポートしていけると考えています」。
 有償ボランティア業務を進める一番の理由は将来の自分にあると言い「いつか自分も年をとり、思うように体が動かなくなるかもしれません。でも地域が連携したサービスで暮らしやすくなったら。そんな街を仲間とつくれたらいいですよね」とその想いを教えてくれました。

クラウドを利用した
業務の効率化と情報共有

 業務体制をクラウド上で管理できるようにしたい、鈴木さんは日々業務を行いながら危機感を持って切り替えを進めてきたそうです。そして新型コロナウイルス対策が騒がれるようになると、すぐさまスタッフには「会社には出社しなくていい」と連絡。スタッフは業務用のスマホを持ち、スケジュール管理や利用者の実績がチェックできる状態であったことから、会社での密を避けることができたそうです。「今は介護事業者のスケジュール管理ができるアプリケーションがあったりします。オンライン上で情報を共有することも。コロナ禍の状況を考えるうちに、かえって業務効率は上がったかもしれません」。


地域で支え合う仕組み作りを

 「あんまり深く考えてないけど」と笑顔で語る鈴木さんに見えていたのは、昔ながらの地域が地域の暮らしを支え合う、温かな仕組みでした。「主体となる介護保険事業をしっかり機能させながら、有償ボランティア事業を起点として地域事業者と繋がり、暮らしを支える仕組みができたなら、もっともっと暮らしやすい米沢になると思うんです」。青年部活動で得た繋がりが、鈴木さんの想い描く街のあり方の力となり、次なる希望へと進んでいました。

わわわQ&A①
~働く仲間と広がる仕事~

鈴木さんはどんなスタッフの皆さんとお仕事をしていますか?

 スタッフは30代から70代まで広く、ベテランの方がほとんどです。それぞれ利用者さんの自宅に訪問し、掃除や食事の調理、家庭生活の支援から介護支援などを行うのですが、限られた時間の中で利用者さんとしっかりコミュニケーションをとりながら、効率的に働かれる姿を見て、いつもすごいなと感じています。

スタッフの皆さんに質問です。
理事長の鈴木さんはどんな人ですか?

 介護に対しいろいろな知識とこだわりをもって、一生懸命に取り組んでおり、とても頼りになる存在です。利用者さんにはより利用しやすく、従業員にはより働きやすい環境を整えたいと、仕事の効率化にも力を入れています。優しく、細かなところにも目が届き、従業員の気持ちも汲んでくれ、ありがたいです。

わわわQ&A②
~米沢から膨らむわわわな気持ち~

これからについて考える、若者へメッセージをお願いします。

 私はこれまで「人の縁」によってここまで来ました。自分の頭の中で考える事には限界があって、人からもらう言葉やアドバイスは、自分の幅やチャンスを広げてくれるパワーがあります。
 また同級生が頑張っている姿をみると、うらやましく感じたりしますよね。それで自分もそうなりたいなと思えるようになり、目先の目標もできます。それは私が青年部活動をする上での一番の魅力で、原動力になっています。出会う人のレベルを上げると、いろんな世界が見えてきます。ぜひ楽しく飲みながら、いろんな人と話をしてみてください。

【企業情報】

特定非営利活動法人 地域生活支援協会

992-0003 米沢市窪田町窪田1435-13
TEL 0238-27-8695
FAX 0238-27-8696

【事業内容】

  • 住宅介護支援
  • 訪問介護
webサイト


※撮影時のみマスクを外していただきました。
 普段は新型コロナウイルス感染症対策を万全にして業務をされています。