住宅・不動産の仕事
株式会社 本多建設
代表取締役 本多 作之助さん

●43歳(2020年9月時点) ●米沢市出身 ●米沢興譲館高校/福井大学 卒  

理想を叶える家づくりを米沢で
豊かな自然と食を満喫


インタビュー


 地域密着型工務店、株式会社本多建設の3代目代表取締役である本多作之助さん。これまでの経験とお客様との繋がりから、米沢での家づくりに可能性を感じているそうです。会社の経営に留まらない、様々な組織の設立と地域活動への想いを伺いました。

お客様の暮らしと住まいを守って

 1973年創業の本多建設は、米沢市を中心とした置賜地域で、住宅の新築やリフォーム、不動産の運営を手掛けています。「お客様は会社のある米沢から片道1時間程度で駆けつけられるエリアの方が主です。住宅は建ててからのお付き合いが大事。それは突然の災害や、ライフスタイルの変化、住まう方の変化など、様々な場面で力になりたいと思うからです」。地域に密着した工務店として、月に何度かの完成見学会や相談会、お客様を招く夏祭りやマルシェなどのイベントを開催しています。

厳しい現場で培った経験と知識を
生まれ育った米沢で

 本多さんの1日は7時45分からのミーティング、8時からの朝礼で始まり、各現場の進捗の確認、社内プロジェクトチームとの商品開発や、イベントの計画、お客様に伝えるための情報発信など、様々な業務が進められています。
 学生の頃から社寺建築に興味があったという本多さん。大学卒業後、創業400年以上の歴史を持ち、社寺仏閣建設を得意とする中堅ゼネコンに就職しました。米沢市出身の建築家・伊藤忠太氏の建築を多く手掛けていたと知り、ご縁も感じたそうです。「修行のために就職するというような、甘い世界ではありません。自分の足でしっかり歩きたいと必死でした」。一級建築士の資格を取得し、現場を任せられるようになり、大きなマンションの建設も担当。「完成前から実際に入居されるお客様との打ち合わせが行われていきます。壁の位置の変更からキッチンの内容まで細かく。同じマンションでも、35世帯あればその全てが住まう人に合わせて違うものに。そこで家づくりの面白さに可能性を感じました」。
 そんな折、創設者である祖父が亡くなり、そろそろ戻らなければいけないのかなと思うようになったという本多さん。「自分でできる事も増え、地元に帰っても地域の人と一緒に住宅づくりができると思い決心しました」。そして29歳で本多建設に入社、36歳で3代目代表取締役社長に就任します。品質管理や工程管理など、厳しい現場で繰り返し実践したスキルは、今の自分に確実に活きているそうです。

雪との付き合いを理解した
米沢の豊かな暮らし

 本多さんが大事にしているのは「地域密着型工務店」という考え方。住まう人を守りたいという意識を持って仕事をすることで、新築やリフォームの提案は変わっていくと言います。また米沢で問題視される「雪」。建設の際には、駐車場を含む敷地内に着雪を予想した余裕を持たせなければなりません。「雪の降らない地域とは住宅の考え方が違います。それでもここは都心に比べ土地が安い。地に足を付けて暮らしたい、持ち家を持ちたいという人が多いです。雪との生き方さえ考えれば、お庭でバーベキューがしたい、のびのび子育てをしたい、風通しの良い環境で暮らしたい、そういった様々な要望が叶うのも米沢ならではですね。炎に癒される薪ストーブやペレットストーブもオススメです」。
 自身も日々自宅の庭でバーベキューを満喫し、冬には仕事終わりにお子さんとスキーを楽しんでいるそうです。「米沢に戻り、環境の良さを改めて実感しています。米沢ならではのラーメンやそば、なす漬けなど食べ物がおいしいし。町内会など面倒に感じる方もいますが、人との繋がりがあるからこその良さもありますよね」。

時代の変化に、新たな挑戦と
古きに学ぶ家づくりの魅力

 コロナ禍の自粛期間は家族と過ごす時間が増え、改めて自宅を見直し、リフォームを検討したというお客様も増えたとのこと。また、遠方のお客様とインターネット回線を通じ、リモートでの打ち合わせもスタートしたそうです。そして例年夏に1,300人ほどが来場する地域感謝祭は中止に。そこで今年は「おうちで感謝祭」を企画。希望者に「おうちバコキット」を発送し、作成した写真を投稿してもらう「おうちバコフォトコンテスト」が開催されました。「おうちのデコレーションを楽しんで、家族の会話が増えたり、家づくりへの興味を深めてもらえたのではないでしょうか。また当社とSNSツールで繋がっていただき、より情報提供がしやすい環境にもなりました」。
 今後も新築・リフォーム・不動産のトライアングルをしっかり行い、地域密着型工務店として地域になくてはならない企業を目指したいという本多さん。さらに、古民家という文化を大切にしていきたいという想いと、家づくりに欠かせない大工さんの育成を目的に、2014年には「一般社団法人山形県古民家再生協会」を立ち上げました。「高気密・高断熱の家が一般的になってきていますが、古民家の風通しの良さや暮らし方、受け継がれた技術も忘れてはいけません。古民家再生は、住まう人の悩みを解消し、地域に新たなコミュニケーションをも生み出す、家づくりの魅力を大いに感じてもらえるプロジェクトです。大工という仕事にもっと夢を持ってもらい、なり手が増えたらと願っています」。会には志を同じく持つ技術者が集い、一緒に活動をしているそうです。

いつの日も
可能性を広げるチャレンジを

 お客様からの感謝の言葉や、社員が仕事の面白さを話してくれた時に、大きな喜びを感じるという本多さん。会社以外にも地域の様々な団体に所属し、忙しく活動をされています。「会社を良くしたいと思えば思うほど、地域づくり、人づくり、青少年育成の重要性を強く感じるのです」。2020年春には、奥様と一緒に米沢市上郷地区に「NPO法人児童クラブ太陽の子」を設立しました。「人生はあっという間です。後でやっておけば良かったな、と思うくらいなら、チャンスがあれば挑戦してみたい。ずっとやってみたかった青少年の育成事業。人づくりは元気な街づくりの原点。何事もやらずの後悔より、やっての後悔。チャレンジすることにより自分の可能性を広げ、地域の役に立っていきたいですね」。

わわわQ&A①
~働く仲間と広がる仕事~

本多さんはどんな社員の皆さんとお仕事をしていますか?

 当社は社員が25人ほどですが、専属で働いてくれている大工さんや、専門的な工事を行う業者さんをプラスすると、100人以上のメンバーで新築やリフォームに取り組んでいます。家づくりはお客様の財産を扱う仕事。社員はそれを心得、日々勉強したり、資格取得にも力を入れるなど、スキルアップしています。
 リフォーム工事全般を統括する社員の一人を見ていると「好きこそものの上手なれ」だなと思うんです。リフォームはお客様の意向の実現に加え、工事を進めてから出てくる問題を解決する「現場力」が求められます。その困難を面白いととらえられるかどうか。チャレンジ精神があって、地域の方に可愛がられながら成長し、小さな工場から大規模リノベーションの提案まで本当に楽しそうに取り組んでくれていますね。

社員の皆さんに質問です。
社長の本多さんはどんな人ですか?

 当社は非常にアットホームな会社です。そして社長はいつも社員一人ひとりの声に耳を傾け、仕事や家庭の悩み、様々な想いを聞いてくれます。また、話し合いの場も積極的に設けてくれます。現場を社員みんなで点検に行き、その現場を隅々までチェックすることで社員同士のスキルアップにも繋げてくれます。自分一人ではなく、みんなで家づくりをしているという雰囲気があり、本当に心強く仕事に向かうことができます。

わわわQ&A②
~米沢から膨らむわわわな気持ち~

これからについて考える、若者へメッセージをお願いします。

 若い頃に得た経験は財産となり、きっと30代、40代の自分の力になります。だから20代の苦労は買ってでもするべき。社会人になってすぐ「自分が思った世界と違う」とその環境を放棄したくなる気持ちが出てくることもあるでしょうが、石の上にも3年、一歩一歩大切に進めば、気が付くと大きな前進になっています。焦らず、ちょっと無理しながら、誠実に前へ進んでください。

【企業情報】

株式会社本多建設

〒992-0047 米沢市徳町7-52
TEL/0238-21-5100
FAX/0238-21-4458

【事業内容】

  • 住宅の新築、リフォーム
  • 不動産の運営
webサイト
山形就職企業ナビ


※撮影時のみマスクを外していただきました。
 普段は新型コロナウイルス感染症対策を万全にして業務をされています。